うつせみのたわごと -13-
星野廉
2020/09/24 12:18
げん――。きになることば。からからきた、ことば。おおむかし、このしまじまに、からからことばがはいり、もとにあったことばとまじりあったという。ひとのよには、ことのはのかずが、おおいことばもあるし、すくないことばもある。どちらが、ひいでているか、ゆたかか、うつくしいか、というはなしではない。すべのことばは、ひとしい。うえもしたもなし。ただし、なみのひとが、うまれてしぬまでにもちいる、ことのはのかずには、かぎりがある。じびきにしるされたことのはを、すべてしっているもの、すべてをつかったことのあるものは、まずいない。とはいえ、ことのはは、つねに、たらない。
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つねに、たらない。いつも、かけている。かずが、おいつかない。すくない。これ、減界なり。減界なのは、あたりまえ、わけるから、ふえる。わけまくれば、ふえまくる。わけたら、わかったしるしとして、なづけて、てなずける。これでは、なまえが、いくつあっても、たりない。おなじおと、おなじよみ、おなじもじの、ことのはがあっても、いたしかたなし。だぶっても、しかたない。つまり、つねに、たらない、いつも、かけている、ということになる。欠けていれば、取り合いになる。取り合いになれば、それは、賭けと同じ。かつかまけるか。かちまけをかける。めちゃくちゃな、こじつけ。こじつけは、かけのいのちなり。こじつけなしに、かけなし。うまのなをこじつけて、ばけんをかうもの、おおし。まらるめの、さいころとおなじ。
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ひとは、わけすぎている。だから、たりない。わけしりがおをしていても、たらない。のーたりん。まりりん・もんろー、のーりたーん。のさか・あきゆきしの、さくしなり。のーりたーん。かえらざるかわ。りばー・おぶ・のーりたーん。もどるにもどれない。のーりたーん。かえさなくていい。つかいすて。ことのはに、にたり。
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ひとは、わける。わけて、わけまくり、わかったことをかたる。また、さらに、わける。わかったことをかたる。こうして、またもや、わけまくる。わけて、かわをむく。いくどもかわをむいて、なにやら、また、かわがみえてきたらしい。ちいさなちいさなつぶが、みえてきたという。あやしく、いぶかしげな、つぶ、なの。そう、なの、よ。ただしくは、つぶでもあり、なみでもあり、ひかりでもあるとか、ないとか。やぶれる、おのれからやぶれる、しぼむ、ゆらぐ、ほころぶ、もつれる、くりこむ、ひも、つりあう、あちこち、あるない、あべこべ、しゃれこうべ、さだまらない、さだまさし、などなど。このたわごとと、かわるところなし。
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まえに限界をかたったときにもふれたが、ことばもおもいも、限界にあるとおなじく、減界にある。ことのはは、たりない。ものやことやさまに、くらべれば、そのかずは、はてしなく、すくない。なぜなら、ひとはわけるから。わければ、わけただけ、ことのはがいる。たわけとは、まさに、このことではないか。だから、ことのはは、つねに、たりない。どんなにふやしても、おいつかない。すかすか。すけすけ。まだら。まだらけ。むらだらけ。ざるのように、ざあざあ、もれる。ちいさなうつわにもった、こめつぶのごとく、ぽろぽろ、こぼれおちる。たりない。つねに、たりない。ぬけている。まぬけ。ひとは、おのれを、そうおもうべし。そうおもえば、おごりたかぶるより、いくらかは、かしこし。
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わかるために、わける。とはいえ、しろうとには、わけられない。わけがわからない。だから、わけのわからないことは、なんでも、でまかせだ、でたらめだ、とおもうのが、なみのひと。しとうとのくせに、わずらわしくて、しろうともしない。それでいて、くろうとは、わけて、わかったという。かたったはなしが、ただしいとわかったという。それこそ、あやしいはなし。やはり、かたりは、かたり。だますことなり。まゆつばもの。いつか、また、あらたなあやしいはなしで、かたられないと、だれがいえるだろう。やはり、かたりはかたりか。まことのかたこと。かたことのまこと。いくらわけたところで、わかるたぐいのはなしとは、おもえない。あほには、わからない。そういわれれば、かえすことばなし。
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まをほろぼし、ことをわけ、いまここにあるものをもちい、はてまでかけはせ、もとをたどり、よりちいさなつぶをおいもとめ、めをこらし、おおきなものまえでおのれのまけをみとめ、わけるむなしさをおもう。幻界、言界、現界、限界、原界、Gen界、眼界、弦界、減界。しっぽのないさるからはずれた、くるえるさるの、しにものぐるいのさま。とどまるところをしらぬ。あさましくもあり、むなしくもあるさま。なにかに、にている。えづけされたさるが、なげられたえさを、あさるさまににている。ちは、あらそわれない。ひとは、かしこく、あやまらない。あやまつことなし。そう、ひとはおもいこんでいる。だから、たりなくても、へいちゃら。のーたりん。のーりたーん。
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ぼんやり。きりが、たちこめたさま。それが、ひとのめにうつる、うつつのさま。だが、まだら、すかすかになれた、ひとは、それが、くっきり、あきらかだ、とおもう。ひとにかぎらず、すべてのいきものは、わくのなかにある。あえて、わくを、おもうことなし。わくにこだわるのは、ひとだけ。だから、ひとは、おのれがぼんやりのなかにいることを、ぼんやりとおもう。たりない。なにかが、たりない。かけている。なにかが、かけている。そのなにかは、わからない。しらない。でも、しりたい。わかりたい。だから、しかたなく、わける。わければ、わけただけ、かけらが、ふえる。そのかけらに、な、すなわち、ことのはを、あたえる。なが、たりなくなる。おぼえきれないから、おなじ、なをあたえる。そして、また、わける。きりがない。それなのに、きりのなかにいる。だから、ぼんやり。たわけた、ことわりなり。
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なは、つねに、たりない。それでいて、しんだことのはを、わらい。あらたなことのはを、ほめそやす。しご。しんご。ちがいは、ん、があるか、ないかだけ。たわけ。ん。n 。ひっくりかえして、u 。ふたつあわせて、m 。む。ひっくりかえしたのを、ふたつあわせて、w 。だぶるゆー。えいごなり。どぅぶるヴぇー。ふらんすごなり。u と v は、もとはおなじだというはなし。それにしても、たった、にじゅうろくもじで、ことばをあやつるとは、たいしたもの。まな、かな(ひらがな、かたかな)、ろーまじに、なれた、このしまじまのひとたちには、はかりしれない、しくみ。このたわごとをつづるあほも、くびをかしげるうちの、ひとりなり。
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なるべくして、なっている。そうかんがえるしかなし。ややこしく、かんがえれば、ややこしくなる。やさしく、かんがえれば、なんでもない。こと、もの、さまは、みるものの、おもいできまる。おもいはおもい、おもいはかるい。もっとわけたい、もうわけなくていい。ひと、それぞれ。にじゅうろくもじ。おびただしいかずのもじ。ものは、いいよう。ものは、かんがえよう。減界は言界でもあり幻界でもある。
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ことのはは、またがる。ことのはだけでなく、ことも、ものも、さまも、またがる。ひとつが、ふたつに、みっつに、よっつに――とまたがる。かさなりあう。からみあう。おもいはおもい、おもいはあつい、とかんがえるひとの、ことわりなり。ただしいかどうかも、まことかどうかも、ひとには、わからない。まことはかたこと。かたことはまこと。ひとが、おかわりをもちいるかぎり、わからない。減界は言界でもあり幻界でもあり限界でもある。
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ことはは、またがる。ひとつが、ふたつに、みっつに、よっつに――とまたがる。おなじなのものが、いくつかあるときもある。にたものどうしは、にくみあう。ひとのさが。にたものたちが、ともにいきることは、むずかしい。そっくりだと、なお、むずかしい。にているは、おなじとはことなる。よに、おなじものはない。そっくりも、おなじとはことなる。おなじなをもつ、にたものたち。おなじなをもつ、ことなるものたち。ちなみに、な・己・汝は、わたしでもあり、あなたでもある。わ・我・吾も、おなじ。てまえ、てめえも、おなじ。もっとも、これは、やまとことばでのはなしなり。からことばについては、しらぬ。からからきたひとがきいたら、ぶったまげるのではないか。いや、にたような、つくりのことばが、どこかのからにあってもおかしくはない。減界は言界でもあり現界でもある。
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じびきを、みてみよう。ひとつのことのはに、いくつかのことわりがしるしてある。みじかいおとのことのはほど、おおくのことわりがある。どういうことなのか。もとがあって、わかれたのか。きのように、えだわかれしたという、はなしもある。かたや、いいまちがい、かんちがい、なまったためだという、ことわりもある。そんなものだろう。ことばのもとは、ひとのくちからでた、いき。いきもの。いきものは、ひとりあるきする。けつまずくこともある。つまずけば、われる。つるむこともある。つるめば、こができる。そうやって、ことのはが、ふえる。なまりも、ふえる。ことばも、ふえる。減界は言界でもありGen界でもあり原界でもある。
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まみずのような、ことばはない。どのことばにも、べつのことばのかたことがまじっている。ずれた。はずれた。ゆがんだ。まがった。それが、まとも。すこやかに、そだったあかし。みなもとのいずみに、まみずがあるはずだと、しんじるひとたちが、たまにいる。もとに、もどろう。まことのすがたに、もどろう。かえるに、かえろう。そう、わめく。かえるにかえることはできない。おたまじゃくしは、かえるのこ。だが、かえるは、おたまじゃくしに、かえれない。おたまじゃくしは、ゆらゆら、ぶらぶら、およぐ。そのうち、あしがでる。てがでる。そのうち、かえるとなって、すいすいおよぐ。ひとのこも、おなじ。はいはい、よちよち、ゆらゆら、ぶらぶら、よりみちをして、こどもはそだつ。とはいえ、おとなになっても、よりみちばかり、しているものがおおい。このあほも、そのひとり。ゆらゆら、ぶらぶら。減界は言界でもあり弦界でもある。
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ことのはは、それがさししめすといわれている、ことやものやさまと、ひとつがひとつに、むきあっているわけではない。ひとつのことのはには、あつみとおもみが、そなわっている。なぜなら、ことのはは、もとは、ひとがつくった、いいかえれば、くちにした、ものである。いったん、くちにされ、つくられたことのはは、ふたり、あるいは、それよりおおくのひとのあいだで、かわされることになる。ひとのかずだけ、そのことのはの、あつみとおもみは、ます。いや、たとえ、ひとりのひとが、あることのはを、くちにしていたとしても、ときとともに、そのことのはは、あつみをまし、おもみを、ますこともあるだろう。わすれさられることも、あるだろう。
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ことのはは、かみ。ぺらぺらの、かみっきれ。ただし、それには、なまえが、しるされている。ひとは、ながしるされたかみっきれを、つぎからつぎへと、なにかに、はりつけ、はがし、また、かわりを、はりつける。おなじものに、なんども、はりかえる。どうして、そんなことをするのだろう。かみが、たくさんあるからか。なまえが、たくさんあるからか。なにかが、たくさんあるからか。いや。たりないからだ。たりないのは、なにかでも、なまえでも、かみでもない。なにかのかわりになるものが、たりないのだ。ねんのためにいうと、かわりとは、なまえではない。かわりとは、ひとのおもいのなかにある、なにかをさししめすと、おもわれている、はっぱのこと。ことのはと、きわめて、にているが、ちがう。ことのはのかわりともいえる、なにか。かめん、おめん、ますくと、よぶこともできるもの。なにかに、にせたもの、つまり、にせものといってもいい。ぺらぺらした、かわり。うすい、かわでできた、かわり。それが、つねに、たりない。
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ことのはは、まぼろし、ゆめ、おもいと、きりはなすことができない。ひとつのことのはが、いくえにも、きこえる。もじとして、つづられたものなら、いくえにも、かさなってみえる。そして、きいたものであれ、みたものであれ、ことのはは、こころのなかで、おもいのなかで、いくつかのゆめのつぶや、おもいのつぶにわかれ、ぱちぱちと、はじける。すくなくとも、このあほは、そんなつぶの、ゆらぎとうごきを、わがみのなかで、かんじる。げん、減、幻、言、現、限、原、源、元、Gen、眼、弦、絃、gen、ゲン――。へる、減る、経る、歴る、謙る、放る、heru、ヘル、hell、Hel、her(※ドイツ語)、Herr(※ドイツ語)――。減界は言界でもあり幻界でもあり眼界でもある。
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へる。たりない。ふえる。みちる。そうしたことわりが、であい、ともにすまうところ。それが、ことのはという、ば。ことのはにおいては、つじつまあわせは、ふさわしくない。ことのはは、おもいや、まぼろしや、ゆめの、かがみ。おもい、まぼろし、ゆめに、つじつまは、かならずしも、そぐわない。きまぐれ、まぐれ、でまかせ、でたらめ、たまたまが、すべるところ。ことわりは、ことのはのがわになく、あくまでも、ひとのがわにある。というか、ひとは、ことのはと、ことわりとの、あわい、へり、ふちをさまよう。うろうろ、よろよろ、ぶらぶら。
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へる、たりない。それなのに、ふえる、みちる。なにごとも、ひっくりかえせば、べつのものにみえる。あべこべ。べこべあ。さかさま。まさかさ。ちがってみえても、おなじこと。すべてのことのはは、ひとしい。ひとしくないのは、ひとのめにうつるから。つまり、そのように、ひとにみえるだけ。そんだけー。そうだ。そうじゃない。そうにちがいない。いや、そんなことありえない。どんなにいいあらそっても、おなじこと。あらがう、あらそう、むなし。ねこのみみには、ひとのことわりのこえに、ことわりなし。よそのことばをはなすものには、うちのことばは、ちんぷんかんぷん。ばいす・ばーさ。
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へるのきわみは、なし。む。無。ふえるのきわみも、なし。む。無。さしひき、ぜろ。0、○、わ、輪、環、話、我、吾、曲、回、わ、◎、○、0。まあるく、おさめまっせー。わっ。おどろかせて、もうしわけない。もうす、わけ、なし。なんにもない。幻界、言界、現界、限界、原界、Gen界、眼界、弦界、減界。ことわけしても、なんにもない。むなし。む、なし。む、あり。おなじこと。
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ない、から、あるはうまれない。これ、うそ。ひとにとっては、うそ。ないから、あるを、うむのが、ひと。くれあちお・えくす・にひろ。ちなみに、ひとは、あるから、ないを、うむ、おそれあり。このほしから、いのちといういのちを、ことごとく、なくす、おそれあり。うっそーっ!? ほんまやでー。ほんとに? ほんとに。さしひき、なし。ごはさん。じこはさん。じょうだんや、ないでー。ほんまもんやから、こわいでー。
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へる。いくつかのにたものが、ひとつのものにみえてしまう。あわいが、みえなくなってしまう。ことのはで、たとえをあげれば、遇う、遭う、会う、合う、あう、というぐあい。/ふえる。ひとつのものが、いくつかのにたものに、わかれてみえてしまう。たとえば、かえる、帰る、返る、還る、というふう。/だぶる。ひとつのものが、ふたえ、みえ、いくえにも、みえてしまう。たとえば、原、源、元、腹、胎、本、素、基というかんじ。/くっきり。ふたえ、みえ、いくえにみえるものが、ひとえにみえてしまう。たとえば、編、篇、偏、片、扁、辺、へん。
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みえてしまう。なぜか、みえる。わけもわからず、みえる。ことわけにたすけられて、みえる。いずれにせよ、みえるだけ。かわりと、にせものだらけの、うつつでよくみかける、ゆめうつつ。ある、わけではない。いる、わけでもない。みえるだけ。ゆめとまぼろしのなかに、なにが、ある、だろうか。なにものが、いる、だろうか。
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みえる。どんなふうにもみえる。眼界は、絃界のはたらきを、つよくうけている言界のごとく、きわめてきまぐれであるがゆえに、減界とGen界がかさなり、それが原界をなして、かぎりなく幻界と現界とせっする限界にある。ことわっておくが、これは、ことわりではなく、うたであり、たわごとなり。ここにつづられたことのはは、しんじるにあたいせず。うたのように、ききながすべし。
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へる。ない。たりない。かける。すかすか。ばらばら。ちりぢり。とびとび。ちょっと。ちょっぴり。
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ふえる。ます。みちる。つまる。うようよ。ますます。いよいよ。いっそう。いっぱい。
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Oと1、でじたる、いちかばちか、うむ、有無、○×、∞、0、かぎなく0、n、なの、よ。それで、ことたりる。すかすかでも、おーけー。ちょっとでも、のー・ぷろぶれむ。たっぷりすかすか。ちりぢりにうようよ。
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ぜろさむ。つどのつまりは、なんにもないちゅー、ことか。zero sum。zero thumb。digital。もとは、fingerと、じびきにあり。ゆびおりかぞえる。おおむかしのひとは、どうやって、かぞえたのか。
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ゆびを、おる、まげる。おる。おれる。あかんなー。まげる。まがる。ねじける。ひねくれる。このあほみたい。あかんなー。なまって、まがう。まがいもの。まちがう。やっぱ、あかんなー。まげる。 " がぬけおちて、まける。あかんなー。かぞえるも、ことわりなり。というより、かぞえるこそ、ことわりなり。ことのはより、ふるいかも、しれぬ。
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てと、あしの、ゆびだけでは、たりない――。いや、だいじょうぶ。げんこと、ゆびいっぽん、さえあれば、なんとかなる。にほん、ゆびの、ヴぃさいん。Oと1、でじたる。Oと1、で事足る。Oと1で、ことたりる。なるほど。そのかわり、ちょーはよう、うごかな、あかんでー。はんぱや、ないでー。
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やっぱ、すぱこんや。にばんてでは、やれん。ほー、そうかいな。しわけで、えーだの、あーだのいっても、らちがあかん。というわけで、しゃしゃりでてきた、りけいのおやぶんの、どーかつ。りけん(※だぶるみーにんぐ)の、ごねとく。のべるなかまのよりきりで、かち。おめでとさん。で、だれのとくに、なるの。しょみんでないことは、たしか。【※出演者、3名+端役数名。】
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こんぴゅーた しゃかりきにうごけば ないものはない
つかれをしらず あさばんはたらく でじたるうま
れいといち それだけあれば ひとおおよろこび
はらいっぱい まだたりないのは のうみそだけ
みえないつぶ あらたにでてきた ひまつぶし
きりはなし えんえんとおもちゃに もてあそばれ
へるはなしなのに いっこうにへらず へらずぐちをたたくのみ
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へる。hell。Hel。じごくへ、まっしぐら。Help!
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へる。たりない。このほしの、ゆくすえだけは、まじ、やばそう。ゆめでも、まぼろしでもなさそう。おそらくのはなしだが――。だから、みんなで、めをさまそう。ひとであるかぎり、おそらく、としかいえぬかなしさ。かわりだけを、あいてにせざるをえない、ひとのよるべなさ。さが。かなしさ。まぼろしよ、まぼろしであってくれ。ゆめよ、ゆめであってくれ。くるいよ、くるいであってくれ。たわごとよ、たわごとであってくれ。
【追記 上記の戯言につづられていることばたちに身をまかせてください。どのようにも取れると思います。意味や解などありません。というか、無数にあるでしょう。そうやって、たわむれてみませんか。参考としての、ことわりをお望みの方は、グーグルで、 "うつせみのくら" "破れ" 、"うつせみのくら" "代理" "限界" 、 "うつせみのくら" "まだら状"、"うつせみのくら" "26文字"、 "うつせみのくら" "対応" "関係性" という具合にダブルとトリプルのキーワードで、5回検索してみてください。
そのさいには、"○○" と括弧でくくるのをお忘れならないように、ご留意願います。今、挙げた5組のキーワードを、それぞれそのままコピーペーストして検索なさるのが、てっとり早いかもしれません。ヒットするのは、長い文章が多いと思います。関係ありそうなところだけ、拾い読みしていただくだけで十分です。こんな戯事にお付き合いくださる方がいらっしゃれば、うれしいです。】
【後記 減界の話なのに、きょうも長くなってしまいました。ごめんなさい。残すところ、あと1界です。これまでのどの界についても、自分は言葉に導かれ、もてあそばれながら、つづってきたというのが、実感です。そんな摩訶不思議な10の界=位相(※比喩です)なのです。最後の絃界は、自分にとってはいちばん不可解な界なのですが、とても気になるので、語る・騙るしかありません。
読者の方々から応援クリックやメッセージをいただき、どうもありがとうございます。また、更新をしていないために「人気ブログランキング」で、知らぬ間に消滅しかけになりがちな「うつせみのくら」を、クリックでときどき助けてくださっている方々にも、お礼申し上げます。このブログは友達のいないモノブログですので、仲間票や組織票もなく、ほそぼそとやっております。みなさんのフィードバックが何よりの励みです。くだくだしい駄文にお付き合いくださっている、こころやさしいあなたに、感謝いたします。】
【注:現在は「うつせみのくら」という過去のブログ記事を再録したサイトがないので、上記の検索は意味をなしません。お詫び申し上げます。】
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【解説】「こんなことを書きました(その20)」より
*「うつせみのたわごと -13-」2010-02-14 : テーマは、「減る・足らない・げん・減」という言葉とイメージをもとに世界をとらえる減界です。言葉の遊びを多用しながら、「減る・足りない・欠ける」と「増える・足りる」とが言葉では矛盾しても、言葉の枠外では矛盾しないことを、言葉たちに演じてもらっています。再読すると、反意語や反対語と呼ばれている2項対立のからくりに対する懐疑と嫌悪感が表れているのを感じます。結果として、「減る」をめぐる言葉が「増える」こととなり、長い記事になりました。原理は単純です。ヒトは分ける。分けたものに名前を付ける=分かったことにする。名前が増える、つまり、名前が足りなくなく。「事=言足りる」が「事=言足りない」となる。そうなると、訳=分けが分からなくなってくる。「分けた=分かった=知が増えた」とならず、「分けた=分かっていない=知が欠けている」ことの確認にしかならないという「わけ」です。さらに、ヒトの知覚・認識・意識における集中力および持続力、データの保存容量、データの再現力・再構築力には限りがある。知が増えたはずが、常に減った・足りない感じがする。要するに、減界は限界でもある。そんな話なのです。ヒトは自分で意識しているよりは、はるかにぼーっとしている。すかすかの意識とまだらの認識の中にいる。と要約することもできます。ただし、ヒトが考え出した、すかすかの2進法でも、疲れを知らない機械ならば、そこそこの働きをすることが可能です。標準的な表記に直したキーワードは、「足りない」「間が抜けている」「たわける・戯ける」「ぼんやり」「26文字」「重なる」「またがる」「絡み合う」「だぶる」「厚み」「重み」「多い」「多すぎる」「忘れる」です。直接書けなかったキーワードは、「対応」「写像」「関係性」「語彙」「分類」「命名」「ラベル・レーベル」「博物学」「言と事の同一視」「語の多義性・多層性」「アルファベット」「辞書・百科事典の編さん」「デジタル」「コンピューター」「ゼロサム」「ナノテクノロジー」です。
※この記事は、かつてのブログ記事に加筆したものです。https://puboo.jp/users/renhoshino77
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