うつせみのたわごと -14-
星野廉
2020/09/24 12:44
げん――。きになることば。からからきた、ことば。からから、つたわってきたこととのは。つたわるには、すじがいる。いと、みち、つな、みぞ、くだ、つる、ぼう。べつに、ほそくのびたものでなくても、いい。なにかとなにかのあいだに、なにかがあれば、なにかがつたわる。
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つたわる。わたる。うつる。とどく。あう。であう。つながる。まじる。
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はなす。はなつ。はっする。おくる。しかける。とどける。あげる。あたえる。やる。うける。うけとる。むかえる。とめる。うけとめる。てにする。おうじる。もらう。こうむる。いただく。
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ま。あいだ。あわい。へだたり。ば。ところ。うち。めん。かん。かんかく。みち。みちのり。
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むき。ほう。ほうこう。ほうがく。かた。すじ。すじみち。みち。
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なみ。ながれ。つぶ。こな。かたまり。かぜ。くうき。き。け。けはい。もの。ぶっしつ。ぶつ。こと。さま。ありよう。かた。かたち。すがた。ゆれ。ゆらぎ。うごき。はたらき。
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つながり。かかわり。かかわりあい。きずな。つな。あいだがら。むすびつき。ゆかり。つて。ひき。えん。えんこ。いんねん。かんけい。こね。てづる。すじ。ちすじ。ほだし。かせ。
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つる。ひっかける。とらえる。つかまえる。つかむ。もつ。てにする。てにいれる。よせる。ひきよせる。おさめる。もらう。にぎる。とる。うちとる。うばう。みる。きく。かぐ。あじわう。はだでかんじる。かんじる。さっする。いだく。おぼえる。おもう。
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きになるのは、うごくと、うごき。うごく、うごきにも、いろいろあるが、とりわけ、きになるのは、ゆらぐと、ゆらぎ。ゆらゆら、ぶらぶら、ぶるぶる、うろうろ、おろおろ、くねくね。
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うごくと、うごきほど、まぼろし・幻界、ことわけ・言界、いまここ・現界、ふち・限界、もと・原界、ふえる・Gen界、みる・眼界、まかせる・弦界、へる・減界、つたわる・絃界と、かさなるもの・こと・さまはないきがする。というのは、むなしき、ことわりにすぎない。うごくという、な、すなわち、ことのは。うごきという、あきらめにみちたことのは。ことわりも、ことのはも、うごく・うごきをとらえることはできない。できないように、できている。そういう、つくり。そういう、しくみ。しくみという、ことのはも、むなしい。
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げん・絃――。きになることば。からからきた、ことのは。ひとには、うまれつき、ことばのすじがあたまのなかに、きざまれているらしい。そのすじをたどるかたちで、まわりで、はなされていることばを、まなび、みにつけていくのだという。どのようなことばであれ、あかんぼうやおさないこどもは、おとなとは、くらべものにならならないはやさで、まねていく、まなんでいく。まなぶためには、まねるためのみちすじが、そなわっていなければならない。みちが、ひかれているはずだ。このようにして、ことばがつたわる。うけつがれる。という、はなし。ものがたり。たしかめたものはいない。
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おおむかし、このしまじまに、からのくにぐにからきたひとたちが、うつりすみ、おおきくわけて、ふたつのことばをはなし、かいていたことがあったという。という、はなし。ことばとともに、さまざまなもののつくりかたや、くにのおさめかたなどが、つたわったことは、いうまでもない。という、ものがたり。ことばが、ことのはが、ひとをうごかす。ひとをゆさぶる。という、はなし。
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ことばは、おりものに、よくたとえられる。ちなみに、絃は、いと。おりものとは、いとをおること、または、いとをおってつくったもの。てくすと、てきすと、これ、からことばで、おりもの、すなわち、ぬののようにおられた、ことのはのあつまりだという。てきすと、てくすととは、かきもの、もじをつづったものなり。そういえば、つづるとは、やぶれたころもをぬいあわせたり、つぎをあてたり、はなれたものをつなぐこと。つづれおりという、きれいないいかたもある。
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おりものと、かきものは、ことのはとして、つながりやすいもよう。えになる。みためもきれいだし、みてわかりやすい、たとえだ。おりものといえば、ぬの。ぬのといえば、ぱっちわーく――。めちゃくちゃな、こじつけ。やらせ。いかさま。で、でてきたのが、ぶりこらーじゅ。これ、からことばで、てしごとなり。あどりぶ、まにあわせのおかずつくり、ありあわせのりょうりにも、にている。めについたものを、かたっぱしから、くみあわせる。そして、それをもちいて、しごとをする。なにかの、はたらきをする。
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たりないなら、あるもので、すます。いま、ここにあるものを、もちいる。言界では、ことのはのあつみと、おもみを、おもんじる。ひとつのことのはに、いくつかのことのはを、つめこむ。ひとつのことのはに、いくつものことわりを、になわせる。いわゆる、しょうえね。つかうことのはを、できるだけへらす、えこ。いつまのか、減界のはなしにうつってしまった。えこ。えごと、かみひとえ。このほしに、やさしいとまではいえないが、いわゆる、ひとつの、えころじー。がけっぷちにある、このほし。いつのまにか、限界のはなしになってしまった――。めちゃくちゃな、こじつけ。やらせ。やおちょう。
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ふえすぎた、ひと。もちすぎた、ひと。ひとは、Gen界にいながらにして、ぶらぶら、ゆらゆらと弦界にある、てんからのつるにつるしあげられて、みをまかせるしかない。そのゆらぐおのれのすがたを、からだでとらえ、まなこをあけて、めまいをおぼえつつ眼界をさまよう。ふと、それがおのれのふるさと、ははのはらのなかだときづく。原界にいるのだときづく。もどったのではない。かえったのではない。いまここが、もとなのだと、さとる――。めちゃくちゃな、こじつけ。やらせ。できれーす。
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めちゃくちゃなこじつけ。なんでもかんでも、くっつければいいというものではない。この、あほめ。たわけめ。めちゃくちゃ、こじつけたうえに、へらずぐちばかりを、たたきよって。
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ごめんなさい。かえすことばもありません。いや、ことのはしか、かえすものはありません。
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はなしを、ゆらぎにもどそう。うえのことばたちがえんじてくれた、めちゃくちゃなこじつけに、はなしをもどそう。つなぐ、めちゃくちゃに、こじつけて、なんでもかんでも、ことわりもどきのぺてんで、つなげる。それが、ゆらぎだと、このあほはおもう。とちくるっているのだから、いたしかたない。
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ゆらぎと、つたわりを、めぐるはなしを、はなしをつづることのはたちに、えんじてもらう。これ、このたわごとの、たくらみなり。つづるうえでの、すべなり。ひとりずもう。はなしのなかみは、どうでもいい。はなしをつづってくれる、ことのはの、うごき、ゆらぎ、みぶり、めくばせ、かおつきに、めをこらしてほしい。たわごとに、ふさわしい、たわけた、くわだて。はなしをかえよう。
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くものすを、おもいえがこう。くもは、いとをはき、めぐらし、あみをつくり、すとする。すといっても、えものをとらえる、わななり。わな。なわばりなり。そのはりめぐらされた、なわ、すなわち、わなに、ひっかかったものは、にげようとして、もがく。ねっと。なっとう。ねっとりとした、いとが、もがくたびに、からだにからみつく。もがくほど、からだがゆれる。ゆれが、あみのいとに、つたわる。ぶるぶる。それが、ゆれ。ゆらゆら。ぶるぶる。
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くものすは、あみ。くもは、あみのゆらぎを、からだでうけとめる。そうやって、えものをあやめる、おりをうかがっている。うぇぶ。web。このほしにはりめぐらされた、あみ。ひとが、つくったあみ。あなたとわたしをむすぶ、あみ。あなたと、このほしにすむ、とおくはなれた、おびただしいひとたちとをつなぐ、あみ。
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いんたーねっと。いんたーは、からことばで、あわいとか、きわをさす。ねっとは、あみ。あわいあみ。めにはみえないが、ひととひと、ことのはとことのは、きかいときかいを、つなぐ、あみ。でんわも、あみ。むせんも、あみ。けーぶるも、あみ。じんこうえいせいをかいした、あみ。おざき、あみ。すずき、あみ。ぜ、あみ。まい、あみ。もとのもく、あみ。じびき、あみ。なんでもかんでも、ごっそり、すくいとる、あみ。
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ところで、あみは、こわい。ほんまやでー。ひっかける、しくみ、しかけ。ありとあらゆる、でんぱや、ゆうせんのしんごうを、ひっかけると、うわさされる、えしゅろん。それは、さておき、みなさん、おなじみの、けんさくえんじん。けんさくとけんえつは、きわめてちかい。このしまじまの、にしどなりの、おおきなくにのありさまを、みなはれ。ひとごとや、あらへん。あら、へんだと、おもったときには、もうおそし。びっぐ・ぶらざー。ふぁしずむ。ふあっと、でてきても、なかなか、しずむことなし。こわいでー。
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あみをはる、さがす、おう、みつける、ひっかける、つぶす、とらえる、けす、ばっする、ときには、あやめる。かの、Oと1のしくみをもちいる。たった、ふたつのしるしなのに、はんぱじゃなく、きわめて、すばやく、はたらかせる。そうすれば、おびただしいかずとりょうのでーたを、さばくことができる。さはら、さばく。とてつもなく、でっかい、どくぐも。ぐぐる、やふる、えしゅる。にている。げきに。にすぎ。みなさん、せいぜい、きいつけなはれ。まじこわ、でっせー。のぞかれて、まっせー。みられてまっせー。きかれて、まっせー。よまれて、まっせー。このまま、すすめば、よも、まっせ、すなわち、すえ。
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つなぐ。むすぶ。あみ。ゆらぎ。絃界―幻界―言界―現界―限界―原界―Gen界―眼界―弦界―減界。
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10の「げん」の見取り図を、ふたたび、だしてみよう。
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「げん・幻・幻想・まぼろし・魔を滅ぼす・間を滅ぼす・(隔たったものを)近くする・知覚する」
=「げん・言・言語・ことば・言葉・言の葉・事の端」
=「げん・現・現実・うつつ・打つを打つ・うつをうつ・うつ(全・空・虚)をうつ・うつうつ」
=「げん・限・限界・限度・境い目・ふち・へり・端っこ・かぎり・かぎる・限る・かげる・翳る」
=「げん・原・源・元・みなもと・もと・本・基・原子・元素・根っこ・ルーツ・泉・湧く・わく・わくわく・出る・でるでる」
=「げん・Gen(※ドイツ語)・遺伝子・gene・gen-・因子・ジン・仁・gene-・うまれる・生じる・うむ・産む・発生・子宮・卵・可能性・生殖・生命・いのち・あらわれる・でる・でちゃった・できる・できちゃった・わく・わくわく」
=「げん・眼・がん・まなこ・め・見(げん・けん)・みる・みわける・わかる・わける・しる・おしっこ・しるす・しるし・知る・ち・じめん・地・なわばり・あらそう・血・あやめる・なくす・なくなる・無・むっ・m・n ・ん」
=「げん・弦・つる・ぶらさげる・ぶらさがる・ぶらぶら・ゆらゆら・宙づり・宙ぶらりん・おまかせ・どうにでもしてちょうだい・おてあげ・白旗・偶然性・さいころ・なげる・ばくち・ギャンブル・まける・まかす・まいりました」
=「げん・減・へる・hell・経る・たりない・欠乏・お腹がすいた・こまった・満足できない・ほしい・欲求・もっともっと・食べてもまた腹がすく・へらす・引き算・ひく・無限小・マイナス・ネガティブ・負・陰・だめ・だめだめ・否定・否・非・被・ちがうちがう・そうじゃない・ひっくりかえす・ひっくりかえる・ひっくりかえそう・反対・あべこべ・さかさま・かえす・かえる・もとにもどる・堂々巡り・おなじこと・減即増・増即減・減=増・無限小=無限大・一定・差し引きゼロ・ゼロサム・ゼロ・zero・零・0・○・まあるくおさめまっせー・輪・和・わ・わっ」
=「げん・絃・糸・張る・渡す・つたえる・つたわる・つながる・つなげる・ひびく・ひびき・ぴーん・おと・ふるえる・震動・ぶるぶる・ゆらぐ・なみ・波動・ひかり・つぶ・ゆれる・上下・左右・うごく・動力・ちから・熱・エネルギー・エントロピー・増大・でっけー・うへーっ・確率大・無秩序・でたらめ・でまかせ・わけわかんない」
*
ひろがる、あみ。あちこちに、はりめぐらされている、さまざまなあみたち。のびた、いと。とおいむかしから、ずっとつづいている、あるいは、ついこのあいだ、あるいは、たったいま、のびたばかりの、いと。あみがほどけば、いととなる。いとがからまれば、あみとなる。いずれにせよ、いとも、あみも、ゆらぎを、つたえる。ばいたい。場・維・帯。
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あわい。あいだ。ば。つたわる。ゆれ。ゆらぎ。つながる。つながらない。はる。めぐる。きれる。とだける。からまる。まざる。
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つりを、おもいうかべてみよう。かわのながれ、うみのなみま、いけのさざなみ。いとをたらす。いとをなげる。あみをなげる。あみをはる。わな。ねらう。いきをこらす。まつ。
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いとでんわを、おもいうかべてみよう。むこうと、こっち。はなす。こえがつつのそこに、はられたかみをゆらす。いとが、かすかにゆれる。みえないほど、かすかに。つたわる。つながる。つながったときの、よろこび。ときめき。
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しかけ。しくみ。わな。はまる。ひっかかる。おちいる。つられる。
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しかける。しくむ。とどける。おくる。つたえる。わたす。かわす。
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しかける。しくみ。ほしい。ねがう。いのる。たくす。まかせる。とどく。とどかない。かなう。かなわない。じゃまされる。
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しかけ。しくむ。ねらう。たくらむ。であう。あう。とらえる。とらえられる。のがす。にげられる。じゃまされる。まける。かつ。つながる。まじわる。
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しかける。しくむ。はる。あむ。おる。まげる。つぐ。つくる。うつる。かわる。あう。ゆらぐ。
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ありとあらゆる、いきものが、しかける。しくむ。ゆらぐ。ゆらぎをとらえる。いきるため。くうため。ひとも、おなじ。だが、おそらく、ひとだけが、ことわる。事割る。言割る。ことわりもなく、ことわる。おごる。
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ゆらぐ。いきもの。いきをすう。いきをはく。なく。みぶるい。みをふるわすのは、おもに、みをまもるときの、さま。ぴくぴく。びくびく。ぶるぶる。おののく。いつも、まわりに、めをそそぐ。あやうきを、なかまに、つたえることもある。それだけではない。ぴくぴく。つがる。たねをつける。たねをうける。ぴくぴく。うむ。うまれる。ぴくぴく。くるしむ。なくなる。
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ゆらぐ。ひと。みぶるい。みをふるわすのは、みをまもるさまだけに、あらず。よろこぶ。いかる。かなしむ。たのしむ。おののく。はなす。かたる。かく。しるす。つづる。となえる。うたう。いのる。つたえる。わらう。たかぶる。おごる。えらそうに、みをふるわす。うきうき。
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ある。いる。それだけではない。いきものは、ゆらぐ。ことわりは、これくらいにしよう。わけても、わからなくなるだけ。いや、ひとであるかぎりは、わけるしかない。おもいのなかで、ゆらぐ。それしかない。
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ゆれ。これも、なにかの、かわり。なにかの、しるし。なにかそのものにあらず。ゆれる。ぶれる。つたわる。つたわらず。つたわりそこなう。ゆれそのもの? ことわけ、たわけ、たわごとなり。
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ともかく、ゆれよう。めがまうまで。
【追記 上記の戯言につづられていることばたちに身をまかせてください。どのようにも取れると思います。意味や解などありません。というか、無数にあるでしょう。そうやって、たわむれてみませんか。参考としての、ことわりをお望みの方は、グーグルで、"うつせみのくら" "経路" 、 "うつせみのくら" "発信" "受信" 、 "うつせみのくら" "ナンパ" " めくばせ" 、 "うつせみのくら" "ブリコラージュ" 、 "うつせみのくら" "熱" "二進法" 、 "うつせみのくら" "揺らぎ" という具合にダブルとトリプルのキーワードで、6回検索してみてください。
そのさいには、"○○" と括弧でくくるのをお忘れならないように、ご留意願います。今、挙げた6組のキーワードを、それぞれそのままコピーペーストして検索なさるのが、てっとり早いかもしれません。ヒットするのは、長い文章が多いと思います。関係ありそうなところだけ、拾い読みしていただくだけで十分です。こんな戯事にお付き合いくださる方がいらっしゃれば、うれしいです。】
【注:現在は「うつせみのくら」という過去のブログ記事を再録したサイトがないので、上記の検索は意味をなしません。お詫び申し上げます。】
【後記 10の「げん」についてのたわごと・戯言・戯事は、これでおしまいです。誰に頼まれたわけでもなく、こんな酔狂をやっていましたが、とてもスリリングな体験をしました。自己満足にしかすぎませんが、おもしろかったです。心身ともに、疲れもしました。ただ、次にやってみたいことが、みえてきたので、素直に喜んでいます。いずれにせよ、少し、休む必要があるようです。
本当に、くだらなかったでしょう。ごめんなさい。中身など、何もないお話でした。でも、本気なのです。逆説的な表現に思われるかもしれませんが、くだらないなりに、中身というか内容のないように、仕組んでつづったつもりなのです。ややこしいですね。でも、本気なんです。言い換えると、PCのモニター上につづられた言葉たちとともに、ただぶらぶらと揺らいでくれた方がいたとすれば、そんなうれしいことはありません。
いずれにせよ、貴重な時間を割いて、たわごとを読んでくださった方々に、こころより感謝いたします。
げんげんと たわけたのちに たちくらみ 】
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【解説】「こんなことを書きました(その20)」より
*「うつせみのたわごと -14-」2010-02-15 : テーマは、「糸・伝わる・伝える・げん・絃」という言葉とイメージをもとに世界をとらえる絃界です。「伝わる・伝える」という動き、「伝わる・伝える」を仲介する媒体、「伝わる・伝える」の対象をめぐる、さまざまな言葉たちを次々と「ずらす」ことにより、その言葉たちの表情・身ぶり・目くばせを読者に体感してもらおうとしています。糸とその縦横の運動から成る織物と、紙と記された言葉たちの縦横の運動から成るテクスト=テキストのつながりにも触れています。さらには、網とクモの巣、ひいてはインターネットへと話をつなげていきます。網における「引っ掛ける・仕掛ける」という動作の重要性を訴えています。検閲・検索の基本的仕組みだからです。「伝わる・伝える」の究極的な対象となる「揺れ・揺らぎ」について考察していますが、尻切れトンボに終わっています。再度、考えてみたいテーマです。不可解なテーマです。標準的な表記に直したキーワードは、「目まい」です。直接書けなかったキーワードは、「宮川淳」『引用の織物』『紙片と眼差のあいだに』「豊崎光一」『余白と余白または幹のない接木』「ロラン・バルト」『テクストの快楽』「Stephen Heath」『Vertige du déplacement』「ジル・ドゥルーズ」『プルーストとシーニュ』です。このシリーズは、タイトルを模倣し、まさに、たわごとで終わりました。幻界、言界、現界、限界、原界、Gen界、眼界、弦界、減界、絃界。なお、各記事の中で、断っているように、10の「げん」をめぐる各界は、別個のものではなく、パラレルな関係にあり、同調し、共振しているとイメージしています。各界も、各界についてのイメージも、戯言であることは言うまでもありません。読者に、目まいまでは行かなくとも、笑いという揺らぎを促すことができたなら、そんな嬉しいことはありません。
※この記事は、かつてのブログ記事に加筆したものです。https://puboo.jp/users/renhoshino77
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