うつせみのたわごと -1-

星野廉

2020/09/23 12:38

 なにかのかわりに、なにかではないものをもちいる。かわりをもちいるかわりに、たちばがかわる。そうなると、もう、もてあそばれるしかない。つかうのではなく、つかわれるがわにみをおくことになる。


     *


 ことわりのないところでことわる。いうまでもなく、ことわりはない。わりきれない。


     *


 ことをわける。わける。わかる。かわる。おそらく、そのあわいはせまい。わけがわからなくなるほど、せまく、ちかい。


【追記 上記の戯言につづられていることばたちに身をまかせてください。どのようにも取れると思います。意味や解などありません。というか、無数にあるでしょう。そうやって、たわむれてみませんか。参考としての、ことわりをお望みの方は、グーグルで、 "うつせみのくら" "何かの代わり" 、 "うつせみのくら" "かわる" 、 "うつせみのくら" "ことわり" 、"うつせみのくら" "あわい" 、という具合にダブルのキーワードで、4回検索してみてください。


 そのさいには、"○○" と括弧でくくるのをお忘れならないように、ご留意願います。今、挙げた4組のキーワードを、それぞれそのままコピーペーストして検索なさるのが、てっとり早いかもしれません。ヒットするのは、長い文章が多いと思います。関係ありそうなところだけ、拾い読みしていただくだけで十分です。こんな戯事にお付き合いくださる方がいらっしゃれば、うれしいです。】


【注: 現在は「うつせみのくら」という過去のブログ記事を再録したサイトがないので、上記の検索は意味をなしません。お詫び申し上げます。】


     ■


【解説】「こんなことを書きました(その20)」より

*「うつせみのたわごと -1-」2010-02-02 : 1週間以上、心身ともに疲れていましたが、ようやく記事を書く気力が出てきたので、つづったものです。短いです。できるだけ大和言葉系の語をもちいて、平仮名づくしで書こうという試みをしています。ふだん書いている文章とは違った書き方で、「言葉」、「書くということ」、「読むということ」をテーマに書くという、ややこしい実験をしています。アホなうえに偏屈者らしい企てというべきでしょう。また、「追記」というかたちで、グーグルの検索エンジンを使って、こちらが選んだキーワードを読者に検索してもらうという小細工もしています。ひとりよがりな戯れなのですが、キーワード検索という作業と、言葉というサイコロを振る「マラルメ的」身ぶりを重ね合わせたつもりです。読者に参加してもらう、または、読者に「動き」を促すように働きかけるための、本気で試みた仕掛けだったのですが、読み返すと恥ずかしいです。標準的な表記に直したキーワードは、「何かの代わりに何かを用いる」「ことわり・事割り・言割り・断り・理」です。直接書かなかったキーワードは、「坂部恵」「あわい」「かわる」です。このシリーズ全体を通じての、直接書かなかったキーワードは、「ジェイムズ・ジョイス」「サミュエル・ベケット」「フランツ・カフカ」「ジル・ドゥルーズ」「柳瀬尚紀」「レーモン・ルーセル」「VOAのspecial English」「basic English」「聖書の翻訳」「ジョージ・スタイナー」『After Babel(邦訳:バベルの後に)』「ピジン言語」「クレオール言語」「ブリコラージュ」です。



※この記事は、かつてのブログ記事に加筆したものです。https://puboo.jp/users/renhoshino77



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