生活と意見 2020/06/25

げんすけ

2020/06/25 14:32


 きのうの午後七時過ぎに居間でくつろいでいて、はっとしました。テレビのニュースの字幕を見て気づいたのですが、「ウイルス」なんですね。念のために、さっそくテーブルの上にあった新聞で確かめました。めくらなくても、求めている言葉はちゃんと一面にあります。「ウイルス」なのかあ、なるほど。メディアでの表記は「ウィルス」ではなく「ウイルス」が標準だと知ったのです。「ィ」ではなく「イ」。勉強になったなあと思ったとたんに、体が火照りどっと汗が出てきました。ホットフラッシュです。私の場合には両方あるのですが、ホルモン治療の副作用のほうではなく、こちらはストレス性の発作みたいなもので珍しいことではありません。

 さっそく、きのうのブログ記事で「ウィルス」と書いたのを直そうかと思いましたが、私は午後四時以降はパソコンの電源を切りネットに接続しない生活をしています。スマホは持っていますが電話以外の目的で使うことはありません。よく知らないのですが、そういう設定になっているみたいです。そもそもスマホは私の名義のものではなく、料金は私が払っているのではありません。そんなわけで記事の表記は直しませんでした。きょうもたぶん直さないと思います。

 外国語の表記にはばらつきがありますね。エッセイとエッセー。ウォーキングかウオーキング。スティーブ・ジョブズが一般的なのに、スティーヴン・キングではなぜか「ヴ」。ブティジェッジかブダジェッジでメディア間でもめていたような記憶が……。結局こういうことは大手の新聞社や通信社や放送局が主導しているらしく、ほぼ統一された表記もあれば、そうなっていないものもあるようです。言い訳じみたことを書き、申し訳ありません。

 実は「ウィルス」と書いたのは、きのうが初めてなのです。ふだんは「ウイルス」と表記していて、きのうのブログ記事の中で、理由があって故意に「ウィルス」と書いたという意味ではありません。その言葉を日常生活で口にすることはあっても、文字としてペンで書いたりキーボードで入力した経験はないという意味です。これは恥ずかしいことなのでしょうね。汗がまだとまりません。

 恥ずかしいで思い出しましたが、ずいぶん前に大恥をかいたことがあります。進学塾で小学生の国語の授業を受け持たされ、始業まもない十分間に漢字の書き取りをしていたときのことです。最初に解答し終わった生徒がテスト用紙を持ってきました。私は横着をして正解を見ないで採点し始めました。どんどん丸をつけていき、ある答えにバツをしたところ、それをそばで見ていた生徒が「先生、それ間違っていません」と口をとがらせて言いました。

「えっ?」

 どう見ても誤りなのです。

「ちょっと待ってね」

 念のために解答を見た私は考えこみました。十秒近く正答を見つめていたにちがいありません。覚えていませんが、きっと赤面していたのだろうと想像します。何と当時の私は「全然」を「全々」と書くと信じて疑っていなかったのです。ぜんぜん。

 そんな国語力で小説家をめざしていたのですから自分でも呆れます。大学の文学部を卒業したとはいえ日本文学や日本語を専攻したわけではないなんて言い訳はとうてい通じません。講師失格。今考えるとあの間違いは犯罪級ですが、これはほんの一例であり、私には抜けたところが多々あるのです。あれよあれよと新たな恥ずかしい記憶がよみがえってきました。さらに恥の上塗りをしたいという自虐的な誘惑に負けそうです。またもや汗が噴き出てきたので、この辺で記事を投稿してしばらく横になります。



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