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こんなことを書きました(その20)

星野廉 2020/09/25 13:24 *「夢の素(1)」2010-01-22 : 他人の見た夢を聞かされる時の退屈さから話を起し、夢と思考と空想の3つが自分にとっては近い行為だと述べています。大和言葉系の「おもう・おもい」という語の多義性と多層性に触れ、どれだけの厚みのある言葉であるかを、例を挙げて示しています。言葉を使って思考する、という俗説を批判しています。言葉を話し言葉と書き言葉だけではなく、広義で取れば、言葉を使って「おもう」ことはあり得るのではないか、と主張しています。「夢の素」という言葉とイメージについて語り、それが「おもう・おもい」を誘発し始動させる「粒」だと比喩的に説明しています。「こんなことを書きました」というタイトルで定期的に書いている記事に出てくる、「直接書かなかったキーワード」が、まさに「夢の素」であると書いています。キーワードは、「夏目漱石」「内田百閒」「ブレーンストーミング」「ゆめうつつ・夢現」「夢(=広い意味での想像界)」「現実(=知覚されている現在」)」「思考(=広義の言葉を用いて動いている心)」「味の素」「固有名詞」です。余白に書かれたキーワード、つまり「夢の素」は、「ステファヌ・マラルメ」「蓮實重彦」「ギュスターヴ・フローベール」『ブヴァールとペキュシェ』です。 *「夢の素(2)」2010-01-23 : 言葉が「ずれる・言い換わる・たとえられる・こじつけられる・わける・混乱する」という動きが、「夢の素」が「かわる・変容する・うつる・うつりかわる・わかれる・ゆがむ・くずれる」という動きと似ているという意味のことを述べています。記事を書くさいの癖として、つづられる言葉たちに、つづられるテーマを身ぶり・動きとして演じさせる。そんな込み入った遊び=戦略が好きだ、と言っています。そうした言葉によるテーマの擬態の方法は、渡部直己氏の著作から学んだと書いています。しかし、それはあくまでも個人的なひとりよがりの解釈にすぎないと断っています。「意識・思考・無意識・夢想・妄想」といった言葉とイメージを含む、「思い」という語とそのイメージを分析しています。イメージと「夢の素」は「いだく」ものであると主張し、「いだく」を「だく」へとずらし、「だくことはだかれることである」というテーマへと移行しています。そこから「意識する」と「意識される」とが、ヒト...

意味の論理楽(続・ふーこー・どぅるーず・でりだ)その1

げんすけ 2020/07/18 10:56  あなたはSですか、それともMですか?  この質問をエッチな意味でとってくださって、けっこうです。どうでしょう? あなたはサディスト( or サディスティック)ですか、それとも、マゾヒスト( or マゾヒスティック)ですか? どちらでも、ないですか? 両方の要素がありますか? 時と場合によりますか? TPO次第で変わるから一定していない、ですか?   ジル・ドゥルーズという人の書いた本の邦訳である『マゾッホとサド』の訳者が、蓮実重彦=蓮實重彦氏です。内容や詳細はすっかり忘れましたが、要約すると、 *いわゆるSとMとは反意語でない ということが書かれていたと記憶しています。比喩的に言えば、反意語というより、両者のベクトルが違うという意味だったような気もします。これもまた、蓮実重彦=蓮實重彦氏が、何かに書いていらっしゃったことですが、マルセル・プルースト作の、例のとてつもなく長い小説『失われた時を求めて』は、「長い」の反対が「短い」ではないことをめぐって書かれた作品である、という意味の文を読んだ覚えがあります。間違っていたら、ごめんなさい。  というわけで、正直なところ、「快=気持ちいい」と「不快=気持ちよくない」を反対の感情、あるいは感覚としてとらえていいのかどうか、整理がつかないのです。みなさんは、どうお考えですか? ややこしいですよね。たぶん、言葉が欠陥品であるということに加えて、ヒトが言葉という欠陥品に「慣れきっている=依存しきっている=疑いを持たなくなっている」ために、いわば「落とし穴=陥穽=罠」に、はまり込んでいるのではないか、と思えてならないのです。  上で、超常現象の話をしましたよね。「超常現象」の対義語が「日常」だと仮定してみましょう。日常の中で――その真偽は別にして――たまに超常現象という話題をテレビや本や雑誌で見聞きするからこそ、わくわくどきどきもし、不思議だという気持ちを堪能できるのではないでしょうか? また、曲芸や類まれな才能の話もしましたよね。曲芸やサーカスは、本来、「ハレ=晴れ=非日常」の時に催されるものだった、という考え方があります。  一方、「ハレ=晴れ=非日常」の反対は、「ケ=褻=日常」だとされています。「ケ=褻=日常」の世界に生きるヒトが、たまに「ハレ=晴れ=非日常」の時空を作り、そこでお...

ふーこー・どぅるーず・でりだ(その1)

げんすけ 2020/07/09 14:17  ミシェル・フーコーとか、赤塚不二夫とか、ロラン・バルトとか、ジル・ドゥルーズとか、ジャック・デリダとか、サルトルとか、ヴィトゲンシュタインとか、ゲーデルとか、道元とか、の書物から引用しないと、ちょっと言葉が足りなすぎると思うけど、今はもう、そんな本は手元にない。  でも、理解してほしい。こうやってブログに書いているわけだから、他人に自分の思いを伝えたいと願っているのは確かだ。(「地図は現地ではない」より)      〇  大学生になって文学を勉強していて、文芸批評というものを読むようになった。どれも退屈だった。その中で自分と波長の合う文章があって、その作者の本をよく読むようになったが、自分の周りの学生たちのその人(※その文章というべきか)に対する評価は割れていた。  なにしろ、センテンスが長い。「、」ばかりの文が数行にわたって続く。また、修飾語と名詞、主部と述部とのつながりが奇抜。そのため、何度か読み返さないと意味がとれない。表面的な意味がとれたとしても、その内容の理解に苦しむ。 「簡単なことを、わざと難しく言っているだけ」「難解なのではなく、混乱しているのだ」「只者じゃないよ。だって、ミシェル・フーコーと吉本隆明の対談を通訳したんだぜ」「読者をおちょくっているだけだよ、あいつは」「精神年齢100歳だよ、どう考えても」  おおざっぱに言うと、三人のうち二人は否定的な意見を持ち、残る一人が熱烈な信奉者という感じだった。そんな文章の書き手の名前をここで挙げることは簡単である。忘れたわけではない。だが、あえてその名は挙げない。理由は、この記事を読んでいるうちに分かってくると思う。(「あえて、その名は挙げない」より)      〇  自分の場合には、ヒトである自分の顔を鏡で見たりすると、いかにもそんなことをしそうな異様な気配を覚えます。鏡の中の自分に「相貌的知覚」(※何かに人の表情や動作を見るという意味ですね)を覚えるということです。これは、少なくとも自分に関して言えばの話です。顔に顔の気配を感じる。なんだか、不気味ですけど。鏡に映った自分の顔や姿は、自分の顔や姿そのものではないということを思い出しましょう。  あれは光の反射を映し出す「鏡というもの」なのです。それに「映った像」なのです。自分の顔や姿でないものに自分の顔や姿を見...

かりにこれが仮の姿であり仮のからだであれば、人はここで借り物である言葉をもちいて、かりの世界を思い浮かべ、からの言葉をつむいでいくしかない。

星野廉 2020/10/17 08:27  このところと言っても、この数年間ずっと読んでいるのは、蓮實重彦の『批評 あるいは仮死の祭典』と古井由吉の『仮往生伝試文』です。最近はこの二冊ばかり読んでいると言っても言いすぎではないと思います。手にしていないときにも、この二冊のことを考えていることがあります。  とりとめのないことを考えているのですが、今気になって仕方がないのは、たとえば「仮」です。この文字が呼び寄せてくれるさまざまな言葉やイメージをあたまのなかで追うのが心地よくてたまりません。辞書の助けを借りるとエスカレートします。走り書きしてみましょう。まとめようとはしません。あくまでもメモです。  かり、借りる、借る。  貸し借り、rent、賃貸、賃借、貸し、貸す、化す。  かりる・かえす・かす。  あたえる、もらう、てにいれる、うばう、ぬすむ、もつ、いだく、ためる。  かわり、かわる、つかう、つかえる、もちいる、やくだてる、やく、つとめ、しもべ、しも、かみ。  借りる、借問(しゃもん)、仮借(かしゃく・かしゃ)、借家、借屋、借宅。  仮、仮借(かしゃく・かしゃ)。  貸、代、代理、代表、代行、代議員、代議制、代理人、代理店、代行者、agent、representative、representation、représentation。  仮、か、け、化。  仮、け、仮有(けう)、俗有、実有、仮諦(けたい)。  かる、借る、狩る、猟る、駆る、刈る、苅る、枯る、涸る、嗄る、上る、離る。  枯れる、涸れる、から、殻、空。  仮、仮面、仮性、仮名、仮字。  解字、白川静。  坂部恵、『仮面の解釈学』。  かり、仮、假、叚、おおう、ざらざら、仮面、暇、霞、葭、蝦、瑕、瑕疵、かし。  真、偽、本、顔、素顔、真性、本性、真名、真字、本名、偽名。  かりそめ・仮初、仮定、仮想、仮装、仮葬。  仮死、(詐死)、(作死)、死にまね、空死に(そらしに)・虚死(そらじに)、擬死、冬眠、臨死、瀕死、危篤、虫の息、死に際、臨終、いまわ、最期、末期、断末魔、今際の際、往生際、冬眠、半死半生、死に体、なしくずしの死。  心肺停止、心停止、呼吸停止、脳死、遷延性意識障害・植物状態・ベジ。  昏睡、昏倒、気絶、失神、「間断なき失神」、「壮大な仮死の祭典」、心神喪失、人事不省、無意識、夢うつつ、譫妄。 ...